「ルックバック」タイトルに込められた3つの意味を考察&解説|藤本タツキの半生が描かれている?【ネタバレあり】

 

藤本タツキ先生による読み切り作品「ルックバック」

2日で400万以上の閲覧数を記録したり、Twitterでトレンド入りするなど、世間から注目を集めている作品です。

 

このページでは、「ルックバック」というタイトルに隠された意味や内容について考察していきます。

 

 

 

※ルックバックのネタバレを含みますのでご注意ください。

 

まだ「ルックバック」を読んでいない方は、先に漫画を読んでから当記事を読むことをおすすめします。

>>ジャンプ+で「ルックバック」を読む

 

藤本タツキ「ルックバック」に込められた意味を考察

ネット上でも言われていますが、読み切り「「ルックバック」」には、京都アニメーション放火殺人事件への追悼の意味が込められているのだと思います。

京都アニメーション放火殺人事件が起きたのは、2019年7月18日。
読み切り「ルックバック」が公開されたのは、2021年7月19日。

公開のタイミングや、ルックバックのストーリー的にも、追悼の祈りと考えて間違いないと思います。

 

さらに、「ルックバック」というタイトルには、追悼以外の意味も込められています。

印象的な言葉やシーンはすべてがタイトルにかかるようになっていて、タイトル回収が素晴らしい作品でもありました。

 

1:「ルックバック」→Oasisの「Don’t Look Back in Anger」という曲を連想させる

読み切りのタイトルと作中に描かれたワードをあわせると、Oasisの「Don’t Look Back in Anger」という曲が浮かび上がってきます

  • タイトルの「ルックバック」
  • 2ページ目の黒板に描かれた「Don't」
  • 最後のページ左下の雑誌「In Anger」

 

Oasisの「Don’t Look Back in Anger」という曲は、マンチェスター・アリーナで起きた爆発物事件の追悼集会で合唱された曲です。

Oasisは爆発物事件が起きたマンチェスター出身のアーティスト。
労働階級出身のロックバンドとして地元の人から多くの支持を集めています。

 

追悼の曲として浸透している「Don’t Look Back in Anger」を作品に入れるあたり、「ルックバック」には追悼の意味が込められているのだと思います。

 

2:振り返る

タイトルの「ルックバック」をそのまま訳すと「振り返る」という意味です。

作中では、事件で大切な相棒を失った藤野が、今までの思い出を振り返るシーンがあります。
その後、悲しみを乗り越えて前を向いて進んでいく藤野。

 

この「振り返る」という言葉から、「悲しい出来事を振り返ることもあるけれど、乗り越えて前を向いて歩いていこう」という間接的なメッセージが込められているのではないでしょうか。

 

3:背中を見る

タイトルの「ルックバック」には「背中を見る」という意味もあり、作中では「背中」が重要なポイントになっています。

例えば、以下のシーン。

  • 登場人物の背中で、時間の経過を描く
  • 藤野が京本の(着ていた服の)背中にサインをした
  • 2人の少女のうち、京本は背景担当
  • 「京本も私の背中見みて成長するんだな」という藤野のセリフ
  • 「背中を見て」という4コマ漫画→藤野が服の背中に書いたサインを見る

 

「背中」というキーワードだけで、こんなにも伏線を散りばめられるのはすごいです!

 

登場人物の背中で語るストーリー

作中で印象に残っているシーンのひとつが、登場人物の後ろ姿で春夏秋冬を感じさせるシーン。

セリフや説明文、効果音などもなく、背中の描写だけで時間の流れや、感情などが伝わってきました。
ただただ、すごかったです。

 

藤野が京本の(着ていた服の)背中にサインをした

京本が藤野にサインを求めた際、色紙を持っておらず、着ていた服の背中にサインを書いてとお願いしました。

終盤では、

  1. 「背中を見て」というタイトルの4コマ漫画を見る
  2. 部屋に入って背中の方を振り返る
  3. 背中にサインが書かれた服を見る

という流れのシーンがあり、藤野が悲しみから立ち直るきっかけになっています。

 

2人の少女のうち、京本は背景担当

作中では、藤野と京本のふたりで漫画を描いていくのですが、京本は背景担当です。

 

「京本も私の背中見みて成長するんだな」という藤野のセリフ

藤野「京本も私の背中見みて成長するんだな」

(引用:ルックバック 藤本タツキ)

 

藤野が、京本に向かって言ったセリフです。

「ルックバック」のラストシーンが、「背中を見て」と言っていた藤野の背中で終わるところも好きでした。

 

「背中を見て」という4コマ漫画→藤野が服の背中に書いたサインを見る

if世界と現実世界をつないでいる4コマ漫画。
京本が描いたのか藤野が描いたのか定かではないですが、「背中を見て」というタイトルの4コマ漫画になっています。

その後、京本の部屋に入った藤野が“背中”側に掛けてあった服(“背中”にサイン入り)を見る…という流れ。

 

タイトル回収がものすごくて、絶句です…。

 

ルックバックの内容・ストーリーを考察

ルックバックを読んで気になったシーンの考察をまとめました。

 

シャークキックの単行本11巻が複数冊あった理由

「ルックバック」作中のシーンで、11巻が複数冊、描かれたシーンがあります。

「藤野が11巻を複数買った」という考察が多く見られますが、個人的には「11巻が複数冊あったのは書店の本棚だから」だと考えています。

以下のようなコマ割りで、藤野の部屋→書店に場面が切り替わっているのではないでしょうか。

藤野の本棚
 ↓
11巻アップの描写
 ↓
複数冊の11巻(書店の本棚&ポップ)

 

書店で11巻だけ複数冊おいてある理由は、人気作品だから
アニメ化などで人気が急上昇した作品は、最新刊が大量に入荷されているのを見かけます。

シャークキックもアニメ化が決まり、最新刊の入荷冊数が多くなったことを表現しているのだと思います。

 

シャークキック11巻とチェンソーマンの関係

作中のシャークキックは単行本11巻まで出ていて、「このつづきは12巻で!」と書かれています。

同様に、チェンソーマンもコミックスは11巻まで発売(2021年7月時点)。
第2部の連載が始まれば12巻以降も今後発売されます。

「このつづきは12巻で!」という記載も、そのままチェンソーマンに当てはまります。

 

「ルックバック」は、ところどころ作中と現実世界がリンクしているのも面白いです。

 

京本の部屋にシャークキックの単行本1巻・2巻が複数冊あった理由

京本の部屋にシャークキック1巻・2巻が複数冊あったのは、単純に藤野の連載を応援していたからだと考えています。

机の上にあった書きかけのアンケートも、シャークキックを応援していた証拠です。

 

if世界での京本の利き手、4コマの筆跡

現実世界では京本は右利きですが、if世界では左利きになっているところもあります。

また、「背中を見て」の4コマ漫画の筆跡が京本の筆跡とは異なっています。
どちらかというと藤野の筆跡に近い字です。

 

上記についてはTwitterで、「なるほど」と思う考察をされている方がいました。

 

「ルックバック」には藤本タツキの半生が描かれている?

「ルックバック」の登場人物と、作者・藤本タツキには共通点が多いです。
このことから、読み切りには藤本タツキの半生が描かれているのでは?と噂されています。

 

「ルックバック」に登場する藤野・京本と、藤本タツキの共通点は以下のとおりです。

  • 物語の登場人物は“”野と京“”で、作者は“藤本”タツキ
  • 作者自身も若い頃(高校時代)から漫画を描いていた
  • ファイアパンチの連載開始までに、7本の読み切りを誌面に載せていた(未公開は除く)
  • 京本が通っていた大学のモデルは、作者・藤本タツキの出身校である東北芸術工科大学
  • 作中で藤野が連載しているのは「シャークキック」、藤本タツキの作品は「チェンソーマン」と「ファイアパンチ」
  • 作中のシャークキックは単行本11巻まで出ている、チェンソーマンもアニメ化決定の時点では11巻まで(第1部完)

 

「ルックバック」に隠されたオマージュ

チェンソーマン デンジの扉・背景

京本が美大で描いていたドアは、チェンソーマンでデンジの夢の中に出てきたドアです。

 

 

あとは、京本が見ていた「背景美術の世界」という本に載っている背景は、チェンソーマンで登場しています。

 

 

藤本タツキ「ルックバック」を無料で読むには?

 

2021年7月現在、ジャンプ+(アプリまたはWEBサイト)にて無料で閲覧可能です。

おそらく、単行本が発売されるまでの期間限定公開だと思いますので、読もうと思っている方は早めに読んでおくことをおすすめします。

>>ジャンプ+で「ルックバック」を読む

 

「ルックバック」が単行本化|2021年9月3日(金)発売

「ルックバック」は、既に単行本化が決まっています。

発売は2021年9月3日(金)。

Amazonなどで予約も始まっていますが、「ルックバック」のみ収録された短編なのか、他の作品も収録されるのか、現時点では不明です。

 

 

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