
2007年公開の劇場版第11作目。
主題歌は、愛内里菜&三枝夕夏の「七つの海を渡る風のように」
キャッチコピーは、「そこに浮かぶのは、誰だ…」「コナン君、どこにいるの?」
『紺碧の棺(ジョリー・ロジャー)』の内容。あらすじと結末
冒頭、ルパンと不二子の覆面をした犯人追う佐藤刑事と高木刑事。
高木:不審者は黒のバン、新宿500 さ32-55。マル披の人着は…ルパンと、不二子ですっ!
無線:警視503、ふざけないで下さい!
2人に逮捕された強盗犯は、「神海島(こうみじま)、ジョリーロジャー」とつぶやいていた。
舞台は神海島(こうみじま)
神海島に遊びに来たコナン達。
というのも、日売新聞に掲載されていた超難しいパズルに小五郎が正解した為、賞金をもらったのだ。ただ、パズルを解いたのは小五郎ではなくコナン。
ホテルに予約を入れたはずだが、その予約は入っていなかった。困ったホテルの従業員は、観光課の岩永城児を呼ぶ。
神海島では、2週間ほど前に、海底宮殿から宝が見つかったそうで、ホテルにはトレジャーハンター達の姿があった。
コナン「夢みてるんだろーぜ。海に眠る、財宝ってやつをな」
観光課の岩永は、小五郎たちに財宝の話をする。
10年ほど前、頼親島の近くに海底宮殿が沈んでいると話題になった。
頼親島はもっと大きかったが、300年ほど前の地震で海に沈み、今の形になった。メタンハイドレート層が、地震の影響を受け、一気に分解した結果、地滑りを起こしたそう。
そうこうしているうちに一行は、美馬和男(みまかずお)が経営する民宿「神海荘」に到着する。
蘭と園子は、ダイビングショップ「グロット」を訪れ、オーナー・馬淵千夏と、ダイビングインストラクター・山口喜美子と共にダイビングを行うことに。ホテルに居たトレジャーハンター達もダイビングショップを訪れていた。
神海島の観光館に展示されているカットラスとピストル。これらは、海底宮殿から発見され、さらに刻まれているイニシャルから、1730年頃に活躍した2人の女海賊、アン・ボニーとメアリ・リードのものであるといわれている。
アン・ボニーとメアリ・リードが、背中合わせで戦ったという話を馬淵と喜美子から聞いた蘭と園子。
園子「蘭、あたし…あたしの背中をまかせられるのは、蘭だけって決めてるから」
この映画は蘭と園子の友情の話ということでしたね。しかし伏線が唐突だしわかりやすい…。
海に潜った蘭たちは、海底宮殿ちかくでサメと遭遇。さらにトレジャーハンターの男3人組がサメの群れに襲われているのを目撃する。
一方、女海賊が、奪った宝物を神海島に隠したとされている話を聞き、宝探しゲームに参加するコナン達。
岩永から、“宝探しマップ”をもらい、説明を受ける。宝探しゲームは、謎を解きながら5箇所のポイントでスタンプを押していくというもの。
第1のヒント
夕陽が落ちずとも海賊はかがやく
スタンプ:10 12
コナン:この暗号って、おじさんが全部考えたの?
岩永 :え?…まぁね。…ああ、そうだ!隣の役場に、レンタル自転車があるから、乗ってってね。歩いてまわるのは大変だから。
役場で自転車を借りて、島の西側にきた少年探偵団。第1のヒントの示すとおり、そこには海ほたるが。
第2のヒント
痩せた海賊は笑う
スタンプ:7 18
次のポイントに向かおうとした時、灰原は、血だらけで運ばれていったウェットスーツの人達を目撃する。
それを聞いたコナンは蘭が心配になり、灰原と共に蘭たちのもとへ向かう。
コナンの相棒は灰原
襲われたのは、トレジャーハンターのうちの1人だけ。気になったコナンは、被害者のBCジャケットからビニール袋の切れ端と、それに付着した魚の血を発見し、この事件が殺人だと推理する。
サメは100万倍に薄めた血の匂いも嗅ぎとるので、魚の血を入れたビニール袋をジャケットに忍ばせておけば、袋は水圧で破け、サメが寄ってくるという仕掛け。
細工されたBCジャケットが、普段はダイビングショップに保管されている為、ダイビングショップを訪れたコナンと灰原。足跡を発見し、写真を撮る。
コナン:悪いけど、これで写真撮っといてくれねーか?俺、他に調べることがあるから。
灰原 :あら。いつからあなたの助手になったの?あたし。
コナン:いや、助手じゃなくて…相棒かな。
灰原 :調子いいこと言っちゃって。
この話、実は次作の、『戦慄の楽譜(フルスコア)』と繋がっていて、『戦慄の楽譜』では、“相棒”という単語を使ったシーンが登場している。
結局、誰でもジャケットに細工が出来ると判明。
民宿に戻って、博士と共に写真の解析をするコナンのもとに、探偵バッジで、元太たちから通信がはいる。吊り橋に向かっているから、早く来いというものだった。
吊り橋についた元太・光彦・歩美は、吊り橋の向こう側に看板を発見する。
看板には、40キロ以上の人は通行禁止と書いてある為、第2のヒントの場所がここだと気付く。
第3のヒント
海賊は泣かない
スタンプ:12 25
盗まれたカットラスとピストル
ヘリで目暮警部・白鳥警部・佐藤刑事・高木刑事が到着。
新橋のスーパーを襲って、売上金を奪った2人組が、トレジャーハンターの松本光次と伊豆山太郎に指示されたと自供したらしく、事情を聞く。
佐藤:そういえば高木くん、あなた、たばこ吸ったっけ?
高木:ゴホゴホ、すいません。瞬間接着剤ありませんか?
煙草に火を着けるために松本にマッチを借りた高木。
喫煙者かと思ったら、指紋をとるためにマッチをすり替えていた。普段頼りないけど、意外なところで活躍する高木刑事。
夕食を終えたコナンたち。阿笠博士は、美馬と世間話をする。
阿笠:トレジャーハンターと言えば、本当に宝はあるんですかな?
美馬:ふんっ、ハイエナは獲物のないところには集まらんよ。狙い通りの獲物とは限らんがな。
ヒントの“海賊は泣かない”について話し合う少年探偵団に、美馬は、“海賊は泣く”なら知っていると言い、砂浜に案内する。
コナンは、石英の多い砂が泣き砂だと気づき、付近に泣かない場所があることを発見した。
第4のヒント
海賊の魂は天に昇る
スタンプ:5 18
砂浜から帰る途中にコナンは、ダイビングショップで、松本が馬淵にお金を渡すところを目撃する。
一方、接着剤を使ったシアノアクリレート法という方法で、指紋の採取に成功した高木刑事たちだが、観光館の非常ベルがなり、あわてて現場へ向かう。
女海賊のカットラスとピストルが松本と伊豆山に盗まれてしまった。逃げる途中、何者かが伊豆山をライフルで射撃。
狙撃した犯人が居たと思われる場所に向かったコナンは、薬莢と、自転車のタイヤの跡を発見した。
飲み屋で酒を飲む小五郎。店の前を通った岩永に、観光館の展示室に泥棒が入ったという話を聞く。小五郎は、岩永の自転車を奪い、後ろに岩永を乗せて観光館へ向かう。
観光館には、騒ぎを聞きつけ、目暮警部たちや小五郎、岩永が集まっていた。そこへ、本庁から届いた指紋結果を知らせに駐在所の警官がやってきた。
トレジャーハンターの松本光次は、世界各地の遺跡や博物館から美術品などを盗み、殺人も犯す、国際指名手配犯だった。
JOLLY ROGER(ジョリー・ロジャー)の宝の地図
翌朝、コナンは、借りていた自転車のサドルの裏にGPSが付いているのを発見する。
捜査会議。
ダイビングショップオーナーの馬淵は、松本に逃走用の船の手配を頼まれていた事がわかった。それと、コナンが発見した薬莢は、かなり古いものだという事が判明。
昨日に引き続き宝探しをする少年探偵団は、ヒントから、見張り台だと推理した。
第5のヒント
スタンプの文字がヒントだ さあ、我々のお宝を探してくれ
スタンプ:15 15
昔トレジャーハンターだった美馬は、300年前の地図をコナンと少年探偵団に見せてくれた。
地図には、宝探しゲームのスタンプと同じ数字が書かれていた。観光課長の岩永が考えたと言っていた暗号は、実はアン・ボニーによって300年前に考えられたものだった。
数字がアルファベットの順番を表しているのではないかと推理し、コナンたちは、アルファベットを並び替えて“JOLLY ROGER(ジョリー・ロジャー)”にたどり着く。
ジョリー・ロジャーとは、1700年頃、船乗りたちが最も目にしたくなかった“海賊旗”のこと。
頼親島がドクロのような形をしていたから、アン・ボニーはそうヒントを残した。
さらにヒントを探したところ、地図に描かれている海賊旗の歯の部分がアルファベットになっている事に気づく。そこには、“DOS DIOSAS(ドス・ディオサス)”と書かれていた。スペイン語で二人の女神。
ヒントが示す、二人の女神の入り口は、昔の地震で崩れて大人は通れない状態だという。だから松本たちは、海に潜って別の入り口を探していた。
警察がいる中、危険を犯してカットラスとピストルを盗んだのは、探していた入り口が見つかったから。
そんな中、ダイビングショップにいた蘭と園子は、松本たちに連れ去られる。
コナンは、美馬に船をだすよう頼み、阿笠博士から小型のエアボンベを2本もらう。
事件の真相。犯人と犯行動機
頼親島に着いたコナンは、2体の女神像が奉ってある小さな祠を目指す。入り口は、先週の地震の影響なのか大人でも入れそうな大きさになっていた。
松本たちはライフルでケガをしていた為、蘭と園子をサメの囮に使った。蘭と園子は、なんとかサメの群れから逃れ、海底神殿へ。
松本たちは、蘭と園子に先頭を歩かせ、遺跡の奥までたどり着く。
扉の溝にカットラスとピストルをはめ込み、やっと開いたその先には海賊船があった。しかし、期待していたような宝はなかった。松本たちは、仕方なく宝をあきらめ、蘭と園子を始末して、その場をずらかろうとする。
園子「蘭、後ろ任せたよ!」
蘭 「園子も気をつけて!」
背中合わせで戦う2人。
2人の姿がアンとメアリに重なる。ここが見せ場だったのかな?あまり印象には残らなかったけど。
松本がピストルを出したところで、コナンの蹴ったサッカーボールが飛んでくる。松本たちを縛りあげた3人。
コナン「もう出てきてもいいんじゃない?僕の後をこっそりつけてきたんでしょ?…岩永さん」
後ろをついてきていた岩永が姿を現す。
BCジャケットに細工したのも、伊豆山を狙撃したのも岩永。動機は、宝を横取りされるんじゃないかと思ったから。
女海賊の残した暗号を解けなかった岩永は、宝探しゲームを企画し、この島に来る人に暗号を解かせようとした。自転車にGPSをつけたのも、参加者の行動を把握するため。
岩永が犯人だと気づいたのは、火薬のにおいがしたから。おそらく、古いライフルを使ったため、打った時に火薬の燃えかすが飛び散り、においがついた。
推理を披露した後に、全て小五郎が言っていた事にするコナン。
アン・ボニーが残した宝とは…
急に遺跡が崩れだし、ガスが漏れだす。
コナン:蘭姉ちゃん、園子姉ちゃん、二人ともよく聞いて。海水が流れこんでるってことは、岩はそんなに厚くないと思うんだ。だから、ガスを爆発させて天井を壊し、この船ごと…
コナンは、爆発を起こして天井を壊し、海賊船ごと脱出しようと考えた。船にあった、鎖を蹴りあげて天井にぶつけ、その火花でガスを爆発させる。
コナンたちを乗せた海賊船は、船で駆けつけた小五郎や目暮警部たち、そして美馬の前に姿を現す。しかし、船は海面に出た直後に壊れる。
小五郎に宝はあったのかと聞かれ、
園子 :あったのは、ただのおんぼろ海賊船だけ。
コナン:あれがお宝だったんじゃないの?っていうか、アン・ボニーが残したあの地図、本当は宝の地図じゃなくて、監獄に残してきたメアリ・リードに向けたメッセージだったんじゃないかな。
美馬 :恐らくあの船は、あとから脱獄してくるはずのメアリと2人で、再び7つの海に繰り出すのを夢見て、アンが建造した船だったんだろう。しかし、結局メアリは獄中で病に倒れて、息をひきとり、アンもメアリを待ち続けたまま、亡くなってしまった。そして、後に残されたあの船は、大海原に解き放たれる日を、海底の棺のような洞窟で待ち続け、300年後の今日、最初で最後の航海に出て、君たちを海面まで送り届け、二人の主人を追うように姿を消した。
事件は解決し、無事にコナンたちは島を離れる。
『紺碧の棺(ジョリー・ロジャー)』のネタバレ感想
見せ場がなく盛り上がりに欠ける
盛り上がる場面がなく、映画にしては単調な気がしました。
蘭と園子の友情の話という事でしたが、その友情にまつわるシーンもインパクトに欠けるし、アン・ボニーとメアリ・リードの話もさらっと出てきただけで、中途半端に掘り下げた印象を受けてしまいます。
また、映画と言えば、蘭と新一のラブコメがつきものだが、今回は回想に近い。コナンの顔に新一の面影が重なったり、中2の頃のちょっとしたエピソードが出てくるだけで、物足りない感じがする。
ミステリーというより宝探し
犯人も何となくわかってしまうくらい簡単だった今回の事件。伏線もわかりやすいものが多く、子供は見ていて楽しかったかもしれません。
一番気になったのは、宝の噂のきっかけとなった、最初に見つかったという銀の食器。
アン・ボニーが残した宝は海賊船というオチでしたが、では銀の食器は何だったんだろうという疑問が残ります。偶然見つかったものなのか?結局わからないまま終わってしまい、少し残念です。
『紺碧の棺(ジョリー・ロジャー)』の考察
宿泊予約が入っていなかったのはなぜか?
冒頭、宿泊予約が入っていなかった事で、小五郎とホテル従業員がもめているシーンがある。この予約も何かの伏線かなと思っていたが、結局、明らかにはならなかった。
考えられるのは、小五郎に暗号を解かせようとして、観光課の岩永がわざとキャンセルしたのか?となると、日売新聞にのっていたパズルも岩永が出したものだと推測できる。
新聞に、わざと難問を載せることで、応募者をふるいにかけていたのか?
いずれにしても、他力本願に変わりはない。暗号を解きたいなら、もっと他に方法はあるはず…。
そもそも、観光課の人間が、その立場を利用して、密かに宝を狙っていた時点で、やり方が汚い。それなら、まだトレジャーハンターの松本たちの方が潔い。
タイトルの意味
映画を見るまでは、全然意味がわからなかったタイトルだが、見終わってから考えると、なるほどなと納得。
物語の最後に美馬さんが語ってくれたセリフのとおり。あのセリフがなければ、「棺ってなに?」ってことになってしまうので、解説のように長いセリフで説明したのかなと思えてしまう。
色々なところで評価が低い『紺碧の棺』ですが、もう少しメリハリのある映画だったらまた違ったかなと思います。私も結構、酷評してしまいました、すみません。
大人向けというよりは、子供向けの作品といった印象を受けました。
