『医龍』や『幽麗塔』でおなじみの乃木坂太郎先生の最新作『第3のギデオン』
フランス革命前日譚を描いたこの漫画は、色々な人の思惑が混ざり合って結構ドロドロした人間関係が描かれています。少し残酷なシーンや人間の汚い部分などがたびたび出てくるので好き嫌いは分かれるかも。
ただ、史実を交えた漫画はリアリティがあって面白いので、抵抗がない方は読んでみるのもいいかと思います。
このページでは、あらすじや見どころをサクッと紹介。
『第3のギデオン』の基本情報
ビッグコミックスペリオール 連載中
コミック:既刊6巻(2017.12.10現在)
作者 :乃木坂太郎(史料・文献提供:山中聡)
『第3のギデオン』見どころ
舞台はフランス革命前。
国を変えたいと考える平民のギデオンは、あるきっかけで貴族のジョルジュと出会う。
2人は昔、同じ館で育った仲だった。
同じ目的をもつ2人は革命を起こす為、共に進んでいくことを決めた。
しかし2人の考え方には大きな違いがあった…
おすすめポイント
歴史と独自の世界観が魅力
(出典:第3のギデオン 1巻)
今作は歴史物。
私はどちらかというと歴史物が苦手なのですが、この作品は、違和感なく入っていけました。敬遠している分野の話でも敷居が低く入りやすいというのが漫画のいいところだと思います。これが小説なら足踏みしていたかもしれません。
正直、教科書で勉強するより、こういう漫画を読んだほうが記憶に残るし理解できるのは私だけでしょうか。
歴史の説明って箇条書きで書かれていたり、堅苦しい文章で書かれていて、噛み砕くのに時間がかかってなんだか面倒くさくなってしまうっていうのが本音なのですが、漫画にはそれがありません。
軽い気持ちで読めるし、気付けば自然に理解している。時系列なんかもパッと思い出せる。多少ファンタジーが混ざっているので、しっかり勉強するのなら専門の文献を読むべきですが、軽く知りたい人には漫画はおすすめだと思います。
フランス革命の話なので、詳しく知っている方には次に何が起こるか予想できてしまいますが、詳しく知らない人が読むと、先が読めない展開でハラハラします。
実際の出来事の背景にある、人物の心情なり人間関係はこの漫画独自の世界観だと思うので、そこは十分楽しめると思う。
この時代、“第1身分の聖職者・第2身分の貴族・第3身分の平民”という身分制度があり、作中ではそれぞれの身分の人物が登場する。ちなみに主に登場するギデオンは第3身分、ジョルジュは第2身分。
あと、若干残酷な描写はあるので苦手な方は注意。
人の醜い部分を描くのが秀逸
前作の幽麗塔でも感じたが、作者である乃木坂先生は、人のダークな部分、嫉妬だったり狂気だったりを描くのが上手いなぁと感じる。謎めいた雰囲気の人物を描くのも上手い。
画力があり、美形と不細工の描き分けが見事。あとは美人がとにかく艶っぽい。
『第3のギデオン』は、こんな人におすすめ
- 歴史ものが好き
- ちょっとドロドロした人間関係や暗めな展開が好き
万人にオススメはできないけど、個人的には好きな作品。
2017年12月現在、コミックは6巻までしか出ていないので今から読みはじめる方にもオススメ。