2013年に公開された劇場版『名探偵コナン 絶海の探偵(プライベート・アイ)』は、イージス艦を舞台にした映画です。
17作目となる今作では柴咲コウさんがゲスト声優として出演し、重要な役どころを演じます。
このページでは、『絶海の探偵(プライベート・アイ)』の内容やネタバレありの感想をまとめました。
映画を見終わった後にこの記事を読んで、楽しんでいただければと思います。
※ネタバレありますのでご注意ください!
『絶海の探偵(プライベート・アイ)』のあらすじ・内容
舞台はイージス艦「ほたか」
舞鶴湾で行われている海上自衛隊のイージス艦『ほたか』の体験航海にきたコナンたち。
艦内に入る際、携帯が没収され、時計が故障してしまった蘭は光彦から電波時計を借りる。
イージス艦の心臓部といわれる「CIC」に案内され、見学を楽しんでいたところ…
立石艦長:ワーニングレッドだ!
事態は一変、緊急事態が起こる。
冷静に対処した船員たちは、あくまで訓練と言い張り、その場を収拾させた。
イージス艦の船首見学。
コナンは、偶然見かけた少年・ゆうき君と、その父親だと名乗る男性の関係が気になっていた。
コナン:はい、イージス!
女性自衛官(藤井七海)を見つけ、みんなで写真を撮っていたがコナンは彼女の発言にも不信感を抱く。
藤井は一等海佐、つまり艦長クラスの地位なのに「みんなの食事を作る仕事をしている」と、自分の仕事内容を偽っていた。
慌てて立ち去ろうとする藤井に名刺を渡す小五郎。
その名刺は、金色に輝くド派手な名刺だった。
コナンは藤井の写真を阿笠博士と一緒にいた灰原に送り、所属を調べて欲しいと依頼。
阿笠博士:ところで今回のクイズは…
ガチャッ。ツーツーツー…
ダジャレクイズの感想を聞こうと阿笠博士だったが、コナンに一方的に電話を切られてしまう。
毎回思うけど、博士の扱いがひどい…(笑)
艦内で衛生電波が発生していることに気づいた船員と艦長。
船員:艦長!まさか乗客の中にX(エックス)が!?
しかし、衛星通信は先ほどのコナンと阿笠博士の電話が原因だった。
一方、トイレを探して迷う蘭。
コナンはそれを見て、トロピカルランドでの会話を思い出す。
新一 :もう1人でうろちょろしないようにな。今度は帰れなくなっちまうぜ。
蘭 :大丈夫よ!どんなに迷ったって、見つけてくれるんでしょ?だって、新一は名探偵なんだから。
新一 :安心しろ!おめーの1人や2人、どこにいたって見つけだしてやっからさ。コナン:(絶対にな。)
船内では「海上自衛官の制服を着た人間の左腕」が見つかるという事件が起こる。
艦長は、笹浦一等海尉の腕ではないかと推測した。
コナンは電話で服部平次に調査を頼む。
舞鶴に向かっていた平次と和葉は、若狭湾の造船所で人だかりに遭遇。
発見された左腕のない遺体には、首筋に赤い付着物があった。
女性自衛官の正体は?
怪しい行動をとっていた女性自衛官・藤井の正体は情報保全隊員だった。
情報保全隊員とは、ひとことで言うと情報が外部に漏れないために活動する防衛大臣直轄部隊。
なぜ、情報保全隊の彼女がイージス艦にのっていたのかというと、イージス艦にスパイが乗りこんだ可能性があったから。
船員が口にしていた“X(エックス)”とは、スパイのことだった。
スパイの目的は、イージス艦の機密情報を手に入れること。
イージス艦の情報が流出するとアメリカ軍からの信頼を失うと共に、国防の危機的状況に陥ってしまう大事態。
実は、遺体で発見された笹浦一等海尉は、スパイからイージス艦の情報を守るための情報官だった。
京都に向かい、平次たちと合流した阿笠博士と灰原。
灰原は、赤い付着物を分析する。
阿笠:哀くんはもともと、化学者じゃからのう。
和葉:科学者ぁ!?なにゆーてんのん!どう見ても、ちっさい子どもやん!
平次:まあ、小さいことは気にすんなや。
結構重要なことを小さいことと言い切ってしまう平次。
和葉だけが灰原の正体を知らないので、科学者といわれて理解できるわけがない(笑)
電話をかけたコナンは船の塗料だったと聞き、イージス艦「ほたか」のものか照合できないか尋ねる。
スパイに殺害されたと考えられていた笹浦は、“タケカワ”と名乗る人物にイージス艦の情報を流していたことが発覚。
防衛省に連絡した藤井は、そのタケカワが京都に入ったことを知る。
タケカワの行方を追って関西国際空港に着いた平次たち。
和葉が1人で追いかけるが、タケカワは銃を発砲。
平次「かずはーーーーー!」
間一髪、警察が到着し容疑者は確保される。
タケカワの携帯には、笹浦がイージス艦のデータを渡した動かぬ証拠があった。
自分を守る代わりにケガをしてしまった平次が無事だと知り、大泣きする和葉。
今作の和葉は、平次に肩よせられたときに赤くなったり、いろいろ可愛い。
X(エックス)の正体は?
Xの正体は、ゆうき君の父親を名乗る人物。
ゆうき君は本当の父親を人質にとられていた。
コナンに正体がバレたXは逃走をはかるが、最終的にはコナンが蹴ったサッカーボールが直撃。
飛び降りたはずのXは、ボールの威力によって再び舞い上がる。
佐藤刑事「うそ!」
佐藤刑事の驚きよう。
これがコナンの超人的な技を目の当たりにした普通の人の反応だと思う…(笑)
笹浦を殺害に追い込んだ犯人は別にいた
笹浦の遺体に付着していた船の塗料は、イージス艦の物ではなく舞鶴港から出発する観光船のものだったと阿笠博士から連絡が入る。
それを聞いた瞬間、コナンは思い違いに気付いた。
いつもどおり小五郎を眠らせて推理ショーを披露。
笹浦を殺害に追い込んだのは倉田という海上保安官だった。
しかし、倉田に殺害の動機はなく、笹浦の行動を怪しんだ末の事故。
必死の大捜索
事件の真犯人が捕まり、一件落着!と思いきや、園子と少年探偵団、ゆうき君が慌てて小五郎のもとへ。
蘭がXによって海に落とされたことが発覚する。
捜索のタイムリミットは日没の17:00。
ヘリで周辺を探すが蘭の姿は見当たらない。
コナン「電波時計だ!」
光彦が蘭に貸していた電波時計の電波受信時刻は午前と午後5時ジャスト。
午後5時になった瞬間、イージス艦のレーダーで電波をひろう。
しかし、捜索範囲内に反応はなかった。
コナン「蘭ひとり見つけられないで、何が名探偵だ…」
コナンの頬にキラリと光るものが…。
突如、レーダーに反応が!
ヘリが反応のあった地点へ向かうが、西日による海の反射で蘭を見つけられない。
コナン「ねぇ、その反射、1ヶ所だけすごくキラキラしてる場所があるんじゃない!?」
コナンの言うとおり、キラキラしている場所があった。
キラキラしていたのは、小五郎の金の名刺。
コナン「おっちゃん…ありがとう」
今回ばかりは、小五郎のド派手な名刺に助けられたコナンだった。
『絶海の探偵(プライベート・アイ)』ネタバレ感想
『絶海の探偵』で一番印象に残っているのは、やっぱりコナン君の涙。
本当は汗らしいのですが、涙にも見えるので初めて見た時はびっくりしました。
蘭はヒロインだから必ず生きて見つかるとはわかっていても、ラスト15分の緊迫感には少しドキドキします。
『絶海の探偵』は、全体的に真面目な映画という印象を受けましたし、いつものコナン君の非人間的なアクションもかなり控えめ。
今作で一番迫力があったのは、コナン君がXにサッカーボールぶち込んだところかな。
映画製作にあたり防衛省や海上自衛隊が全面協力をしたというだけあって、イージス艦の仕組みや海上自衛隊という組織が詳しく描かれています。
ピリッとした空気感が漂っていて、海上自衛隊に興味がある方はワクワクしそうですね。
事件の真犯人(厳密にいうと事故なので犯人ではないが)については、全く印象に残っていなかった人物だったため、真実が明らかになってもなんだかパッとしませんでした。
真犯人が明かされたときも「こんな人いたっけ?」というくらい存在感が薄かったです…そこは残念な点。
意外とラブコメ部分があったことには驚き。
新一と蘭の電話の内容はもはやカップルそのものだし、平次の無事を心配して抱きつく和葉も可愛かったです。
アクションシーンがあればいいと言うわけではないけど、やっぱりアクションシーンがないとメリハリがない印象を受けますし、少し盛り上がりに欠けますね。