コナン映画、記念すべき第1作目となる『時計じかけの摩天楼』。
主題歌は、杏子 「Happy Birthday」。
大人気コナン映画の歴史はここから始まりました。
いまやファンにはお馴染みとなっている阿笠博士の発明のアイテムがですが、『時計じかけの摩天楼』では、オープニングで事細かに解説されています。
ターボエンジン付きのスケートボードも、この頃はまだソーラーパワーで動いています。
20年以上経った現在は、改良を重ねて夜でも関係なしですが。
第1作目から見続けているファンとしては、いろいろなつかしい部分もありますし、やはり何度見ても名作です。
ということで、『時計じかけの摩天楼』の内容やネタバレ感想を紹介していきます。
『時計じかけの摩天楼』のストーリー
新一は、赤と青のどっちが好き?
新一宛てに、建築家・森谷帝二からパーティーの招待状が届く。
パーティーの代理出席を蘭に頼む新一だが、交換条件として5月3日の夜10時に一緒に映画に行く約束をさせられる。
コナン:それにしても、なーんで5月3日じゃなきゃだめなんだ?なんかあんのか、5月3日に。
すっかり自分の誕生日を忘れてしまっている新一(コナン)。
5月4日は新一の誕生日なので、蘭はオールナイトの映画に一緒に行き、サプライズで誕生日を祝おうと計画していた。
蘭 「新一は、赤と青のどっちが好き?」
新一「赤かな?」
赤は蘭の好きな色。
その日の夜、小五郎にオールナイトの映画を見に行く許可をとっていた蘭。
「赤い糸の伝説」という映画を見にいくと聞いたときのコナンの反応がひどい。
コナン:(えぇ~少女趣味ぃ)
顔がすごく嫌そう(笑)
パーティの代理出席で、森谷帝二邸を訪れた小五郎、蘭、コナン。
建築家・森谷帝二のシンメトリーへのこだわりは並大抵ではなかった。
自分の庭や家は、もちろん全てシンメトリー。
さらには自分の名前「森谷貞治」がシンメトリーではなかったので、「森谷帝二」というシンメトリーな名前に改名したほど。
コナン:ほとんど病気だなぁ。
ほんとそのとおり、狂ってるとしか思えない。
森谷「私は美しくなければ、建築とは認めません」
森谷帝二が今まで建築家として携わってきた建造物は多々あり、なかでも「米花シティービル」は森谷の自信作だという。
その話を聞いた蘭は、新一と「米花シティービル」へ映画を見に行く約束をしていることを話す。
爆破事件
放火のニュースを見ていたコナンのもとに、新一宛の電話ががかかってくる。
「爆弾を仕掛けた」と言う犯人からの電話だった。
爆弾を止める為に、犯人の指示を聞きながら奔走するコナン。
おかけで爆弾の被害は最小限に抑えられたが、その途中でコナンはケガをして入院してしまう。
爆弾犯からの電話が工藤新一宛てだったことから、警察は「工藤新一にうらみのある人物の犯行」だと特定。
事件の捜査をしているなか、またしても犯人から電話が。
東都環状線に5つの爆弾を仕掛けたため、電車が時速60km未満で走行すると爆発するという。
日没までに取り除かなかった場合も爆発してしまうため、時間との勝負。
犯人が出した「爆弾を仕掛けたのは、東都環状線の××の×だ」というヒントから爆弾の位置を推理した新一。
爆弾は、東都環状線の線路の下に仕掛けられていて、何秒間か太陽の光が当たらなくなると爆発する仕組みになっていた。
新一の推理により、被害を出さずに全ての爆弾は解除。
今回爆弾が仕掛けられていた橋や放火された家は、全て森谷帝二が30代前半に設計した建物だとわかった。
犯人は建築家・森谷帝二
一連の爆破事件の犯人は森谷帝二。
森谷:今の若い建築家の多くは、美意識が欠けています!
完全主義者の森谷にとって、過去に作った作品(建造物)がシンメトリーではないことは我慢ならなかった。
今回の爆破事件や放火事件では、シンメトリーでない過去の作品を破壊することも目的のひとつ。
工藤新一を事件に巻き込んだのは恨みがあったため。
過去に、森谷は西多摩市の新しい街づくりの計画を立てていたが、市長の逮捕によって長年の計画は中止。
市長を失脚に追い込んだ新一の名を汚し、復讐を果たそうとしていた。
勝ち確テーマが流れて事件解決かと思いきや…
蘭が映画を見るために向かった米花シティービルにも爆弾が仕掛けられていた。
森谷「工藤に会ったら、こう言っておけ。お前のために3分間作ってやった。じっくり味わえってな」
運命の赤い糸
米花シティービルに向かったコナン。
蘭のいた映画館には、一番大きい爆弾が仕掛けられていた。
コナンは蘭の近くまでたどり着いたが、あと少し…どうしても扉が開かない。
時間がないため、コナンは電話をかけて蘭に爆弾の解体を頼む。
扉1枚挟んで背中合わせで、新一の指示のもと蘭は爆弾を解体する。
森谷「あれは特殊な爆弾でな。たとえ解体出来ても最後の一本が運命を分ける。最後の一本がな」
爆弾の設計図に書かれていない、最後に残った赤と青の2本のコード。
5月4日0時ちょうど、爆発まで残り3分。
蘭 「ハッピーバースデー、新一。だって、もう…もう、言えないかもしれないから」
新一「切れよ…好きな色を切れ。心配すんな。おめーが切り終わるまで、ずーっとここに居てやっからよ。死ぬ時は一緒だぜ」
めずらしく死を意識する新一。
蘭:さよなら、新一…
ここまでストーリーの中でさんざん赤を強調してきた。
しかし蘭は、赤を切ると見せ掛けて青を切った。
蘭「だって、切りたくなかったんだもん。赤い糸は新一と…繋がってるかもしれないでしょ?」
爆弾は止まり、事件解決。
蘭の無事を知って泣きまくる小五郎。
途中、心配しすぎておかしくなってましたね(笑)
『時計じかけの摩天楼』ネタバレ感想
ラストで蘭は青いコードを切ったわけですが、作中ではこれでもかというほど「赤」を強調するものが出て来ます。
- 好きな色
- 5月の2人のラッキーカラー
- 赤い糸の伝説
- 赤いポロシャツ
これは最後に赤を切るんじゃないかと見せかけておいて、
蘭:だって、切りたくなかったんだもん。赤い糸は新一と…繋がってるかもしれないでしょ?
なんだそっちか!って突っ込みたくなる、微笑ましい結末。
扉ごしの新一と蘭の会話といい、もう後半はラブストーリーですね。
最近のコナンではあまり描かれていませんが、初期の作品はこんなにも2人のラブラブっぷりが盛り込まれています。
前半は、ただただ爆発を阻止。
登場人物もほとんどいなかったため、犯人もたぶん森谷だろうなって流れ。
今となっては白鳥警部がレギュラーキャラになってしまったので、ミスリードとして使われていたことに違和感を感じますが…。
アクションや謎解きで盛り上げるわけではなく、ラブストーリーと爆弾解体でクライマックスを迎えるという、最近のコナンにはない終わり方です。
犯人・森谷の犯行動機だけはイカれてましたが、全体的にわかりやすいストーリー。
コナン第1作目は、子供の頃に映画館へ見に行ったのですが、あの扉ごしのシーンは20年以上経っても覚えていました。
コナン第1作目にして記憶に残る名作です。