藤田和日郎先生の新連載は、タイトルを見ただけでは何の話かさっぱりわかりませんが、内容はホラー。
読んでみたので感想や見どころをまとめていきます。
『双亡亭壊すべし』の基本情報
週刊少年サンデー 連載中
コミック:既刊23巻 (2021年4月時点)
作者 :藤田和日郎
『うしおととら』、『からくりサーカス』などで有名な藤田先生。2016年に連載開始したばかりなので、これから読みはじめようと思っている方もサクッと読めます。
『双亡亭壊すべし』あらすじ
首相である・斯波(しば)総理と桐生(きりゆう)防衛大臣が、“双亡亭”を壊そうと提案するところから物語は始まります。
“双亡亭”とは、東京・沼半井町に大正時代からある幽霊屋敷のこと。
主人公・凧葉 務(たこはつとむ)は近隣のアパートに住む絵描きで、隣の屋敷に引っ越してきた少年・立木緑朗と知り合う。そして、双亡亭である事件が起こる。
同じ頃、羽田空港に謎の飛行機が突如現れる。その飛行機は45年前に行方不明になったもので、中には一人の少年・凧葉青一がのっていた。
特殊な能力を持っていた凧葉青一は政府に保護され、名前から凧葉務の血縁者だという事がわかった。
一方、自衛隊による空爆でも全く壊れない双亡亭に、総理は報奨金248億円を懸けて破壊協力者を募ることにした。
そこで集まったのは、一癖も二癖もある、対超常現象のプロ達。
ついに双亡亭破壊作戦が始動する。
『双亡亭壊すべし』のここが面白い
怖いけど読まずにいられないストーリー
(出典:双亡亭壊すべし 1巻)
ホラーだと知らずに読みましたが、絵が物語とマッチしていて正直怖い。
“双亡亭”に足を踏み入れた人は、人ではなくなってしまうのですが、その描写が鳥肌ものです。
ちょっと怖くて、読むのをためらってしまうほどですが、話しの続きが気になってついつい読んでしまうんですよね。
続きが気になる理由としては、“双亡亭”の謎の多さにあります。
双亡亭の謎
(出典:双亡亭壊すべし 1巻)
やっぱり一番の見どころは双亡亭という幽霊屋敷の謎。
不可解な事件が多いですが、単なる幽霊屋敷ではありません。
お化けがでるという理由では片付けられないような現象が起きているからです。
たとえば、空爆を受けても壊れない建物。どうして壊れないのか。
そもそも何の目的でこんな建物が建てられたのか。
双亡亭の中に入って、帰ってこなかった人達はどうなっているのか。
国ぐるみで破壊しようとしているのはなぜか。壊すことで何か解決するのか。
…などなど、現時点では謎が多すぎます。
政府は双亡亭の調査・破壊の為、協力者を募り、内部に潜入していくのですが、内部に入っていったからといって謎が解明される確証はなく、危険しかありません。
双亡亭について新しい情報が入り、謎がひとつ解明された思ったら、また別の謎が出てきて…という具合に、常になにかしらの謎が残ったまま物語はどんどん進んでいきます。
だからこそ、一度読んでしまうと、続きを読まずにいられなくなるのです。
主人公らしくない主人公が双亡亭とどう関わっていくのか
(出典:双亡亭壊すべし 1巻)
この漫画の主人公・凧葉 務(たこはつとむ)は、特殊能力があるわけでも、ずば抜けて身体能力がいいわけでもない、ごくごく平凡な青年です。
そんな凧葉務が、双亡亭破壊計画に巻き込まれていくのだが、いったい何の役に立つのかいまいちわからない。
自分の不用意な発言のせいで立木緑朗という少年にとんでもないことをしたという負い目から、双亡亭に関わることを決めるが、先ほども書いたように特別な能力はないので、これから双亡亭攻略にどう関わっていくのか楽しみ。
一方、もう一人の主人公ともいうべき少年・立木緑朗(たちきろくろう)。こちらの少年も、違う理由から双亡亭に関わっていく事になる。
緑朗は双亡亭の一角に引っ越して来て、そして実際に双亡亭に入ったにも関わらず生還した。
生還してからは双亡亭破壊を目的とし、双亡亭を目指す。
緑朗もただの小学生で、特殊な能力を持っているわけではないので、双亡亭破壊にどう関わっていくのか、こちらも気になるところ。
まとめ
正直、こんなホラーみたいな話をサンデーで連載しているのが意外でした。
独特の世界観で、双亡亭って何?壊してどうするの?と、今のところはわからないことばかりで、今後どういう風に話が展開していくのか全く予想が出来ません。
でも、それもまたこの漫画の魅力の一つかなと思います。