前作は『聲の形』で感動的ながらも難しい題材を描いていた大今良時先生。今作も難しい感じの題材です。
『不滅のあなたへ』は、まだ連載開始から間もない作品となっており、今から読み始めてもサクッと読めるのでオススメ。
1巻の内容に少しふれながら、見どころを紹介していきます。
『不滅のあなたへ』の基本情報
週刊少年マガジン 連載中
コミック:既刊5巻(2017.12.1現在)
作者 :大今良時
前作は、いじめや聴覚障害を題材とした漫画『聲の形』
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【ネタバレなし感想】大今良時の『聲の形』はイジメという問題を鋭く描いた漫画
『不滅のあなたへ』あらすじ
何者かによって“球”が、この地上に投げ入れられた。
情報を収集するために機能し、姿をあらゆるものに変化させられるその球体は、死さえも超越する。
ある日、少年と出会い、そして別れる。
光、匂い、音、暖かさ、痛み、喜び、哀しみ……。
刺激に満ちたこの世界を彷徨う、永遠の旅が始まった。
これは自分を獲得していく物語。
引用したあらすじを読んだだけでは、どんな漫画なのか想像しづらいですよね。
もう少しわかりやすく説明します。
ある時、“球(きゅう)”の形をした謎の存在が世界に投げ入れられ、その“球”は色々なものに姿を変えていきます。石からコケ、コケから狼、狼から人間へと。
姿を変えるには“刺激”を必要とします。
そして、再生能力を持っているので、何度でも生まれ変わる死なない存在です。
そんな“不滅のなにか”を中心に起こる出来事を描いている作品。
少しわかりやすくまとめて見たけど、現時点では説明するのが本当に難しい内容の漫画です。
おすすめポイント
主人公が何者でもない、死なない存在。
(出典:不滅のあなたへ 1巻)
主人公は最初に登場する少年かと思っていたのですが、そうではなく“人ではない不滅のなにか”です。
決まった形をもたない物体が主人公という漫画を私は今まで読んだ事がないので、斬新でした。
この名前もない存在を中心に物語が進んでいく不思議で独特な世界観の漫画です。
少女・マーチと“不滅の存在”の関係
(出典:不滅のあなたへ 1巻)
前半は少年が、後半は少女・マーチが、“不滅の存在”と行動をともにします。
マーチは、早く大人になりたい女の子。
ある出来事から、生贄としてささげられることになってしまいますが、その現実に納得できなくて、途中で逃げ出します。
(出典:不滅のあなたへ 1巻)
そこで少年の姿をした“不滅の存在”と出会います。
この出会いが今後の物語にどう関わっていくのか…現時点では予測不能です。
ただ、この出会いはこの後もマーチに大きな影響を与えそうな気がします。
狼から少年の姿へと形を変えた“不滅の存在”ですが、中身は変わっていないので、しゃべることも出来ず、人間としての所作も何一つ身につけていません。こちらもマーチの影響を受けて徐々に人間らしさを身に着けていくのだろうか…
まとめ
ジャンルとしては、SFファンタジーなのかな?
少しとっつきにくい内容にはなっていますが、不思議で独特な世界観の漫画です。
1巻を読みましたが、今後の展開が全く予想できません。
ただ、作者が大今良時先生なだけに、今後面白くなることに期待したいなと思います。
誤解を招かないように言っておくと、この漫画が現時点でつまらないというわけではなく、まだ面白いか面白くないのかの判別ができないくらい難しいというのが正直な感想です。
だいたい漫画の第1巻って、物語の説明的な役割をはたしていることが多くて、「こんな話なんだよ」とか「こんな人が出てくるよ」みたいな感じで、1巻を読めば、その漫画のだいたいの雰囲気がわかると思います。
『不滅のあなたへ』の1巻は、説明らしい説明がない状態で話が進んでいくので、困惑するかもしれません。まだまだわからないことが多いです。今後に期待したいです。