
2011年公開の劇場版第15作目は、シリーズ初となる雪国を舞台とした映画。
キャッチコピーは
「生き延びるんだ、絶対に…」
「ラスト15分、予測不可能!」
「生きてたら、また会えるぜ」
なので、誰かに危険が迫る事が容易に予測できそうなフレーズとなっています。
主題歌はB'zの「Don't Wanna Lie」。
ゲスト声優は、渡部刑事役で渡部陽一さん、記者役で宮根誠司さんが登場しています。
『沈黙の15分(クォーター)』のあらすじ・内容
全ての始まりは爆破事件から
東京都知事・朝倉優一郎に脅迫状が届き、都知事が出席した都営地下鉄・東都線開通式典で爆発事故が起こる。
たまたま東都線の真下を走る新山手トンネルを阿笠博士の車で走行中だったコナンは、怪しい人物と爆弾に気づいた。コナンの咄嗟の対応のおかげで、最悪の事態は免れた。
朝倉都知事は5年前に、新潟県のある村をつぶして北ノ沢ダムを作るという事業に関与していた。その為、開村5周年の記念式典に出席予定だったが、爆破事件の影響で欠席となった。
コナンは、爆破事件の犯人が村の人間ではないかと疑い、北ノ沢村へ行くことを決意。
舞台は新潟県の北ノ沢村
北ノ沢村を訪れたコナン達。
村ではスノーフェスティバルが開催されていた。
祭りを満喫し、宿に戻っておみやげを選ぶ少年探偵団と蘭・園子。
小林先生へのおみやげに、“I♡白鳥(はくちょう)”と書かれたマグカップを選ぶ灰原。読み方を変えれば、“i♡白鳥(しらとり)”になる代物。 ナイスセンス!(笑)
一方、蘭は園子に言われた事を気にして、新一に電話をかける。
蘭と新一(コナン)が、ロッジの外で電話をするシーンがあるのだが、距離が近すぎて、電話越しでなくてもお互いの声が聞こえてしまっていると思う…(笑)
蘭 「おみやげ何がいい?」
新一「えっ!?あぁ…何でもいいよ。」
蘭 「何でもいいじゃわかんないでしょー!なんか言いなさいよ!」
新一「ったく!じゃあ、何があるんだよ!」
蘭 「色々あるよ。例えば、クマのおまんじゅうでしょ、木彫りのフクロウでしょ、それにハクチョウのマグカップ。」
新一「あぁ、じゃあ…フクロウだな。」
そう言いながら新一(コナン)は雪の地面に文字を書いてしまう。
クマ
フクロウ
ハクチョウ
消し忘れたまま、その場を立ち去ってしまい、それに気づいたコナンは慌てて戻る。だが、既に蘭に発見されていて、“新一が近くに来ているのでは?”と勘づかれてしまう。
みんなに内緒でスノーモービルに乗り、遊んでいた元太・歩美・光彦だが、帰れなくなってしまいコナンに連絡する。
ささいな事からケンカになってしまった光彦と元太にコナンの説教が。
コナン「そこまでだ!二人とも、それ以上言うのは辞めろ。一度口から出しちまった言葉は、もう元には戻せねーんだぞ。」
光彦 「でも!」
元太 「でもよ!」
コナン「言葉は刃物なんだ。使い方を間違えると、厄介な凶器になる。言葉のすれ違いで、一生の友達を失うこともあるんだ。」
コナン「一度すれ違ったら、二度と会えなくなっちまうかもしれねーぜ?」
いいこと言うな、コナン!と感心してしまったシーン。
決め台詞みたいにかっこ良かったので、このシーンが何かの伏線になるのかと思いきや、クライマックスでチラッと登場するだけで、それ以外に何もなかった(笑)
幼馴染5人の複雑な人間関係
ロッジに戻ったコナン達は、8年ぶりに再会するという、北ノ沢村出身の5人組に会う。武藤岳彦・山尾渓介・氷川尚吾・立原冬美・遠野みずき。
今まで会わなかった理由は、山尾が、ひき逃げ事故を起こして刑務所に入っていた為。そして実は、ひき逃げで死んでしまったのは、遠野みずきの妹・なつきだったという、とっても訳ありの5人だった。
翌日、雪合戦をしていた少年探偵団達は、立原冬馬という少年と出会う。立原冬馬は立原冬美の息子で、8年前に何者かに追いかけられて崖から転落し、それ以来ずっと意識不明のままだった。
タイムリミットは15分
阿笠「雪崩に巻き込まれた場合、タイムリミットは約15分というからな。」
光彦「15分ですか?」
阿笠「その15分が生死を分けるんじゃ。」
この会話の流れと『沈黙の15分』というタイトルから、クライマックスで誰かが雪崩に巻き込まれてしまう事がなんとなくわかってしまうのがこの映画の残念なところ。
次々に戻る記憶
そんな中、雪原で氷川の死体を発見。このシーンでは、戦場カメラマンの渡部陽一さんが新潟県警の渡部刑事として登場する。渡部刑事のビジュアルが渡部陽一さんそのものだったのも面白かったが、渡部刑事について少年探偵団がこんな会話をしていた。
元太「あのおっちゃん、しゃべりおせぇな。」
歩美「うん。」
光彦「眠っちゃうかと思いました。」
こういう小ネタみたいなのがあると、ちょっと面白い。
翌日、日の出を見る為に外にいたコナン達は、冬馬と共にダイヤモンドダストに遭遇する。
ダイヤモンドダストを見て、何か思い出しかける冬馬だったが、8年前の事件の日にはダイヤモンドダストは発生していなかった事が、コナンの調べで明らかになる。
狙われる冬馬と少年探偵団を追うコナンと灰原
(出典:https://prcm.jp/)
元太・歩美・光彦は、冬馬を8年前の事件の現場に連れ出し、記憶を思い出させようとしていたが、何者かに後をつけられていた。 コナンと灰原は、スノーボードに乗って、少年探偵団たちの元へ向かう。
コナン「聞こえたか!?」
灰原 「えぇ 。」
コナン「やばいぞ、お前はここで…」
灰原 「待つわけ、ないでしょ!」
と、スノーボードのアクセルを踏む灰原。 後をつけていた何者かに狙撃され、咄嗟にコナンは灰原を抱き寄せながら滑る。
灰原 「ガキが生意気なんじゃない!?」
コナン「はいはい!」
スノーボードに乗ってから、終始密着していたコナンと灰原。灰原が可愛くて、なんだか微笑ましい。
犯人と犯行動機
洞窟に逃げ込んだ少年探偵団達は、ダムを目指して奥へと進む。 今回はコナンの推理ショーがなく、少年探偵団の前で推理を述べる。
すべての事件の犯人は山尾渓介。 コナンは氷川が持っていた切り抜きから、ひき逃げ事件の前日に、宝石店で強盗殺人事件があったことを知り、真相に辿り着いた。
8年前、サラ金に借金していた山尾は、宝石を強奪し、それを祖母の家に隠そうとして北ノ沢村に向かった。
しかし、道中でひき逃げ事故を起こしてしまい、さらに冬馬に出会ってしまった。咄嗟に冬馬を車にのせたが、運悪く強奪したダイヤが飛び散るところを見られてしまった。これが冬馬がダイヤモンドダストを見て記憶を取り戻しかけた理由。 宝石を見られた以上、始末するしかないと思った山尾は、逃げた冬馬を追いかけ、その途中で冬馬は崖から転落した。
誤算だったのは、数年で出所できると思い、自首したが予想以上に刑期が長くなってしまった事と、 村が移設してしまい、隠した宝石はダムの底に埋まってしまった事。
ダムを爆破して、宝石を手に入れようと考えた山尾は、ダムが手薄になる式典の日を狙い、爆破計画を実行に移した。
氷川殺害の動機は、宝石強盗の件で脅された為。氷川は、宝石の分け前をもらうのを条件に犯行への協力を申し出た。
そして山尾は、氷川殺しとダム爆破の罪を武藤に被せようとしていた。 故郷を売った氷川とダム建設を憎んでいた武藤は犯人役にうってつけの人物だった。
脅迫状を送り、東都線を爆破したのは、都知事を式典に参加させない為。
ダムを爆破した後に、宝石を探す十分な時間が欲しかった山尾だが、都知事が式典に参加するとなれば、マスコミや観客が大勢押し寄せてしまう。そうすると、基地局を爆破して連絡手段を断ったとしても、外部に漏れるのにそう時間はかからない。
ダム爆破のテストも兼ねての東都線爆破だった。
ダムに到着し、単独で動いていたコナンは、山尾に追いかけられピンチに陥る。
しかし、間一髪のところで遠野みずきが山尾の肩を猟銃で射撃。 そこへ、銃声を聞きつけた少年探偵団と冬馬・武藤・ダム職員が合流。 みずきを見た冬馬は記憶を取り戻す。
実は、事件にはさらに真相があった。
8年前、ひき逃げされたなつきを突き落としたのは、姉のみずきだった。そして、その直後に運悪く山尾の車が通りかかってしまった。
少年探偵団と冬馬の後をつけ、銃で狙っていたのも、みずきだった。しかし、暗くて狭いところが苦手なみずきは、洞窟に逃げた少年探偵団を追うことが出来なかった。
みずきは、冬馬の記憶が戻ると村にいられなくなってしまい、それが怖かっただけで、殺すつもりはなかったと自供する。
ダム決壊、村を守れるか!?
爆弾のスイッチが起動していて、残念ながらダムは爆破されてしまう。 逃げる一同だが、ダムの水の流れる先には北ノ沢村があった。
灰原 「彼、この水を止めるつもりよ! 」
職員A「無茶な!あんな子供に出来るわけが… 」
職員B「巻き込まれたら、ひとたまりもないぞ!」
歩美 「出来るもん! 」
元太 「コナンなら出来るぞ! 」
光彦 「少年探偵団に、不可能はありません!」
灰原 「…(頼んだわよ、工藤くん!) 」
ここから一番の見どころである怒濤のアクションシーンに突入。
スノーボードに乗り、村の手前のスキー場へ向かったコナンは、小五郎・蘭・園子・阿笠博士が乗った車と並走する。
阿笠「雪崩じゃ!雪崩を起こし、水の流れを変えようとしてるんじゃ! 」
こんなに知恵があって破天荒な行動をする小学生を、ただの小学生だと思っているみんなが異様(笑)
コナンの 思惑どおり雪崩が発生し、村は無事だが、コナン自身が雪崩に巻き込まれてしまう。
コナン、雪崩からの生還
(出典:https://prcm.jp/)
全員で雪に埋まったコナンを探すが、タイムリミットの15分まで残り3分。
蘭「お願い、かかって… 」
蘭はコナンの携帯に電話をかけるが、見つかったのは携帯だけ。 残り1分。
蘭「新一…お願い、もしも近くにいるなら…そばに来てるなら助けて…助けてよ、しんいちーーー!!」
蘭は新一に電話をかけ、蘭の叫び声でコナンは意識を取り戻す。居場所を伝えようとして、ベルトからサッカーボールを噴射し、無事に見つかりハッピーエンド。
エピローグにて、少年探偵団がクマやハクチョウ、フクロウのおみやげの話をしているのを聞いた蘭は、
蘭「そっかぁ、これ書いたの子供たちがだったのね。」
あの落書きが、新一ではなく子供たちが書いたものだと思い込む。そろそろ気付いても良さそうだが、この蘭の勘違いも見慣れたものだ。
『沈黙の15分(クォーター)』ネタバレ感想
この映画の一番の見どころは、開始5分で始まるアクションシーンとクライマックスの部分。
コナンの推理ショーもなく、犯人の動機もとんでもなく自己中心的なものとなっているので、アクションシーンに救われたような印象を受けます。
コナン映画ではめずらしく、冬の雪山が舞台となっているため、大活躍するのが「高性能スノーボード」。
ここぞとばかりにスノーボードを乗り回すコナンが見られます。
高速で雪山を滑り降りたり、車と並走するシーンがあり、時速何キロ出ているのか気になるところ。
ダム決壊による水流や自然災害である雪崩など、規模が大きすぎて、コナンが探偵ではなく村を救うスーパーマンに見えました。
あとは、『沈黙の15分』というタイトル。
今作が劇場版第15作目ということでタイトルに「15」が使われているというのを後から知ったのですが、無理矢理感が否めません。
映画のタイトルと、途中の阿笠博士の“タイムリミット”というセリフで結末が見えてしまう点も残念。
もしこのタイトルが別の言葉だったなら、阿笠博士のこのセリフも、いくつかの伏線のひとつで終わっていただろになぁ…。
犯人・犯行動機についてですが、今回の犯人は同情すら出来ない最低人間。
自分の事しか考えていない犯行動機には、呆れるとともに、ある意味、潔ささえ感じますね。
「沈黙の15分」は、ネットでレビューを見ると酷評されているのですが、爽快なアクションシーンの部分は個人的には好きです。
