『のだめカンタービレ』でおなじみの二ノ宮知子先生が描く『87CLOCKERS(エイティセブン・クロッカーズ)』の見どころを紹介します。
『87CLOCKERS(エイティセブン・クロッカーズ)』について
『ジャンプ改』・『週刊ヤングジャンプ』にて連載されていた漫画で、作者は『のだめカンタービレ』でおなじみの二ノ宮知子先生。
『87CLOCKERS』は、“パソコンのF1レース”と呼ばれるオーバークロックを題材にした珍しい作品です。
そもそもなぜこんなジャンルを扱ったかという事に関して、作者である二ノ宮先生はコミックの巻末で説明していました。
旦那さんの昔のバンド仲間であるduckさんという方が、日本で有名なオーバークロッカーで、そのduckさんの話を聞いてオーバークロックに興味を持ったのがきっかけだそうです。
2016年に完結済(全9巻)なので、ぜひ一気読みしてほしいです。
序盤から、「続きが気になる!」という程の勢いはないのですが、読んでいくうちに徐々にハマるようなじわじわくる面白さがあり、隠れた良作だと思います。(←単に私がこの漫画を知らなかっただけかもしれませんが…)
『87CLOCKERS(エイティセブン・クロッカーズ)』あらすじ
草食系音大生の一ノ瀬奏は、ある雪の降る夜、アパートの前に裸足で佇む美少女・ハナに一目惚れ。
ハナはバイトをしながら、OC(オーバークロック)で世界記録を持つMIKEをサポートしていた。
ハナと仲良くなる口実にOCを始めた奏は、徐々にその面白さにハマっていく。
(引用:87CLOCKERS コミック)
主な登場人物
中村 ハナ
有名大学の3年生。オーバークロックが大好きで、オーバークロッカーのミケをサポートしている。
パイナップル工場でアルバイトしたり、内職をしてオーバークロックに使うお金を稼いでいる。
一ノ瀬 奏(いちのせかなで)
お金持ちの家で育ったお坊ちゃん。名門である英孝音大の3年生でヴァイオリンを専攻している。
草食男子で、向上心や競争心がなく、それはヴァイオリンに対しても同じ。技術向上を目指すわけではなく、ただなんとなく就職しようかなーなんて漠然と考えている。
雪の降る夜、ミケにアパートの外に追い出され裸足で立っていたハナに一目惚れをする。
ハナと知り合った事をきっかけに、奏ではオーバークロックに没頭していく。
MIKE(ミケ)
オーバークロックの世界記録保持者。世界中のオーバークロッカーが憧れる存在。
見た目はかっこいいが、性格に少し難あり。
※他にも主要人物はいるけど、ネタバレになっちゃうので割愛します。
『87CLOCKERS(エイティセブン・クロッカーズ)』のおすすめポイント
オーバークロックという日本ではマイナーだけど熱い競技を扱っている
(引用:87CLOCKERS 1巻)
オーバークロックとは、パソコンの部品であるCPUを定格の周波数よりも高い周波数で動かすこと。そしてその数値を競います。
CPUは、車で例えるとエンジン、人間に例えると頭脳にあたる部分です。
オーバークロックの種類には2Dや3Dというものがあったり、空冷や水冷、液体窒素を使ったやり方があります。
CPUを定格の周波数よりも高い周波数で動かすので、どうしても熱を持ってしまうんですよね。そこを冷やして最適な温度に保つと、いつも以上の性能で動くというわけです。
オーバークロッカーはCPUなどの部品を自分で選んで購入し、自分だけのマシンを作るので当然知識もお金も必要な競技です。
例えばCPUを買うのに数万円かかるわけだけど、オーバークロックすることによって、そのCPUが一瞬で使い物にならなくなるということもあります。
数万円が一瞬にしてパァなんてことにもなりかねないし、メーカー保証外の行為のため、オーバークロックを行ってCPUが壊れても救済措置はないです。
趣味としてやるには、とんでもなくお金がかかる趣味ですね。
オーバークロックは日本ではマイナー競技ですが、世界中でワールドレコードに挑んでいる人達がいます。
以前、オーバークロッカーが秋葉原でCPUの発売日に夜中から並んでいる姿を取材していたバラエティー番組を見ました。漫画の世界だけの話かと思っていましたが、本当にいるんですね。
ちなみに現在、日本で有名なオーバークロッカーは清水貴裕さんという方と、このマンガを描くきっかけとなったduckさんだそうです。
オーバークロックやパソコンに関してサッパリわからないという方でも、わかりやすく解説しているので漫画としては十分楽しめます。
『87CLOCKERS)』を読み始めた時は、「オーバークロックって何?面白いのこれ?」って思ってたけど、読み進めてオーバークロックを少しずつ知っていくにつれ、奥が深い競技だなと感じました。
自分で試行錯誤しながらマシンを作って、いい記録が出たらやりがいがあるんだろうなぁ。ハマる人はハマる意味がわかる気がします。
でも部品選びも重要だから知識が必要だし、教えてくれるような人が身近にいないと、初心者からいきなりオーバークロックを始めるにはハードルが高いですね。
草食男子の恋愛模様にも注目
(引用:87CLOCKERS 9巻)
ラブコメ的な要素も詰まっていて、男も女も楽しめる漫画だと思います。
恋愛要素はがっつり入ってるわけじゃないので、苦手な人もそんなに気にせず読めるし、ギャグもほどよく挟んでいるので読んでいて楽しい漫画です。
オーバークロックに音大生って関係ある?
(引用:87CLOCKERS 1巻)
登場人物の一ノ瀬奏は音大生なのだが、とくにやりたいこともなく流されるままにオーバークロックの世界に足を踏み入れる。
この漫画は冒頭で音大の話が出てきて、徐々にオーバークロックの話になっていく。メインはあくまでオーバークロックなので、音大生という設定じゃなくても良かったと思うし、過去の作品である『のだめカンタービレ』が音楽の話だから、関連付けて音大生という設定なのかな?って思いながら読んでいました。
まぁ、そう思ってると物語の中盤~後半で驚かされますよね。なるほどな!と。
ネタバレになってしまうので詳しくは書きませんが、気になる方は実際に読んでみて下さい。
まとめ
少女漫画だと思い込んで読み始めた87CLOCKERS。
後から知りましたが、週刊ヤングジャンプに掲載されていた漫画でした。どうりで少女漫画っぽくないし、むしろ少年漫画よりだったわけですね。
内容はオーバークロックが題材なので、もっと小難しい漫画かと思ってましたが、予想に反して親しみやすい内容でした。
正直、期待していた以上に面白かったです。最終回の終わり方もきれいだし、テンポよく進むストーリーでついつい一気読みしました。
なんとなく見掛けて、気になって手にとった漫画でしたが、チョイスとしては当たり漫画でした。笑えてほんわか癒されるような話になっているので是非読んでほしいです。