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いじめという問題を鋭く描いた漫画『聲の形』大今良時 感想

完結済 全7巻

『聲の形』 大今良時

聲の形(7) (週刊少年マガジンコミックス)

映画化もして話題になりましたね。

読んでいて、心が痛くなる作品。

 

あらすじ

小学校時代、聴覚障害があり、いじめられていた西宮硝子。

悪ガキでいじめの中心人物だったがゆえに今度はまわりから拒絶され、孤独になった石田将也。

高校生になり、2人が再会するところから物語は始まる。

2人を中心に高校の友達・昔の友達・そして家族を巻き込んだ成長と葛藤の物語。

『いじめ』という辛い過去を乗り越え、未来を切り拓く青春物語。

 

この漫画のポイント

聴覚障害

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(出典:聲の形 1巻)

まず障害をもった方の苦労は本人にしかわからないが、読んでいて思ったのは、障害って想像以上だということ。

健全な人と比べるとハンデがあり、そのせいで周りに迷惑をかけるって理解しているから、自分が我慢して周りがおさまるならそれでいいって思ってしまい、思い悩む様子や、その家族の葛藤・絆も描かれている。

 

いじめ

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(出典:聲の形 1巻)

このシーンは胸につきささる。

自分がいじめられていたという事実を知ることになった衝撃的なシーン。

 

いじめって悪ふざけの延長でやっているかもしれないけど、心に消えることのない深い傷を残す行為だなって感じる。そして、それは時間と共に薄れていくかもしれないけど、決して消えることはない。

この作品でも、登場人物達は、いじめという過去にずっと負い目を感じながら生活している。

いじめた側の気持ち、いじめられた側の気持ち、それに関わっていた人の気持ち、全ての立場の人達の心理描写が出てくるし、テーマがテーマだけに重い展開もある。

 

友達ごっこから友達へ

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(出典:聲の形 3巻)

孤立していた将也だが、いじめられていた永束友宏(ながつかともひろ)を助けたところから友達ができる。

普段なら助けなかったが、西宮硝子のために何か変わりたいという気持ちがあり助けた。

ここから石田は少しずつ変わろうとしていたのがわかる。

個人的にはこの永束君のキャラが好き。ところどころでクスッと笑えるような行動をしてくれる。

友達として仲良くしていきたいけど、過去のトラウマが消えず葛藤しながらも、みんなとわかりあおうとする過程の心理描写が実に見事。

ヘビーな内容だが、思わず物語に入り込んでしまう。

登場人物達が、時にはぶつかり合い、理解できない事もあるが、それでも少しずつわかろうとしていく様子から、伝えることの難しさ・人間関係を築く大変さをひしひしと感じる。

 

まとめ

この漫画を読んだとき、漫画というエンターテイメントで、こんなにもリアルで重い話が描かれているとは思わなかったので、正直「何だこの漫画は…」と衝撃を受けました。

いじめた事のある人や、いじめられた事のある人にとっては、痛いほど気持ちがわかると思うので、そういう人にとっては結構つらい作品かもしれません。

あと、漫画に面白さや笑いを求めているならこの作品はおすすめしません。

って考えると万人受けはしないかもしれませんが、私はこの作品を読んで良かったと思っています。

重い展開があり、心の葛藤を描く部分が多いせいか、なんだか心に訴えかけてくるような作品でした。

かわいい絵とは裏腹に、とてもリアルな青春漫画です。